どんな影響がある?
指で数える練習が、足し算の助けになることも
5〜6歳ごろの実験では、指で足し算をする練習をした子は、答えを覚える練習をした子より正答率の伸びが大きくなりました。特に、初めは指を使っていなかった子で違いが見られました。
理由と根拠を詳しく読む今日のひと工夫
じゃあ どうする?

1指をやめさせる前に、数え方を見る
今すぐ暗算へ替えさせなくても大丈夫。一問だけ数え方を見せてもらい、指の数と唱える数が合うか、同じ指を二度数えていないかを一緒に見ます。

2積み木で数えても大丈夫
指を動かしにくそうなら、大きめの積み木を並べても大丈夫。「三つと二つ」を動かして、合わせた数を一緒に確かめます。

3三から先を数えてみる
一つずつ正確に数えられたら、「三は分かっているから、四、五」と続きを数える方法も見せます。難しければ、一から数える方法に戻れます。
もう少し知りたいときにさらに詳しく ↓
この記事の目次
工夫の理由と気をつけたいこと
指を使っていることと、数え方で困っていることは別です。見直す場所が分かれば、指をしまわせなくても手を貸せます。
数の意味が分かっていても、指を思いどおりに立てる所で困ることがあります。積み木や描いた丸なら、指の形を整えることより、合わせる数の方へ戻れます。
指を使う・使わないの二択にせず、数え方を少しずつ増やせます。大人の速さに合わせる必要はありません。
正解なのに、指が気になってしまう
「3+2は?」。子どもは片手で三つ、もう片方で二つを作り、一つずつ数えて「5」。合っている。でも、隣の子はすぐ答えたと聞くと、手を使う癖がつかないか心配になることもあります。
ここで分けたいのは、指を使うことと、数の意味がつかめているかです。指をしまっても当てずっぽうになってしまうなら、先に見たいのは速さより、答えまでの道のりです。
今すぐ指をしまわせる必要はありません。学校の課題に指定があるときは確かめながら、本人が使える方法を残して数え方を見ます。
指を使うかより、どこで迷うか
一問だけ「どうやって分かった?」と聞いて、動きを見せてもらいます。言葉で説明しにくければ、もう一度数えるだけでも十分です。指を一つ立てるごとに数を一つ唱えるのか、立てた指をもう一度数えるのか。子どものやり方をまず見ます。
指は五本あるのに「六」と言うなら、数の言葉と指の対応でずれたのかもしれません。親がその指を押さえ込むのではなく、一緒にゆっくりたどる案があります。答えだけを言い直させるより、ずれた場所を確かめられます。
うまくできているときまで毎問説明させる必要はありません。「見せてくれてありがとう」で終われます。米国教育省IESの家庭向け資料も、物一つに数の言葉一つを対応させ、最後の数が全体の数を表すことを扱っています。
指を動かしにくい子には、別の道具もある
頭では三つを思い浮かべていても、思いどおりに指を立てる方に苦労することがあります。大きな積み木や紙に描いた丸でも「三つと二つ」を置き、合わせる様子を確かめられます。指の形をきれいに作ることが、足し算の目標になる必要はありません。
ここでの積み木の例は、家庭で試すための提案です。IESの幼児算数教材では、物・指・絵などを使って簡単な計算を表す方法を扱っています。
「指を卒業」より、数え方を増やす
すべて一から数えることに慣れたら、三つを一まとまりにして、あと二つだけ「四、五」と数える方法も見せられます。「三はもう分かっているから、続きからやってみようか」と一度誘い、難しそうなら一から数える方法へ戻ります。
IESの教材は、全部を数える方法と、ある数から続きを数える方法を区別しています。指を使ったままでも数え方は変えられます。一方、まだ一つずつの対応が不安定なら、続きを数える練習を急がなくて大丈夫です。
学校から特定の解き方の課題が出た場合は、その時間に練習したいことを先生へ確かめます。家で指を使って確かめることと、授業で扱う解き方を説明できることは、両方支えられます。困りが続くときは「毎回指を使います」だけでなく、どの数や動きで止まるかを伝えると相談が具体的になります。
答えの暗記と、指を使った練習を比べると
Polettiらの研究(2025年掲載、英語)は、主に5〜6歳の子どもの簡単な足し算を扱っています。最初の実験328人、再現実験37人に加え、84人の実験では、指を使う練習と、同じ足し算の答えを覚える練習を比べました。指を使う側も答えを覚える側も、1回10分の練習を2週間で6回行った比較です。
84人の実験では、指を使う練習の方が正答率の伸びが大きく、特に初めは指を使っていなかった子で差が見られました。すでに指を使っていた子だけを見ると、この追加練習の優位な差は確認されていません。
少数の学級で、参加できなかった子を除いた結果です。指を禁止した場合の長期的な影響や、全学年の暗算力を調べた結果ではありません。ここでは「指を使うこと自体を、遅れと決めつけなくてよい」という判断材料として紹介しています。家での三つの工夫は、そのまま研究を再現する訓練ではありません。
気になる疑問
何歳になったら指を使うのをやめさせる?
年齢だけで一律に区切らず、数の意味や数え方を見ます。学校の課題で求める方法も確かめ、今できる方法から少しずつ選択肢を増やせます。
指を使っても間違えるときは?
指と数の言葉がずれるのか、同じ指を二度数えるのか、一問だけ一緒に見ます。指の操作が難しければ、大きな積み木や絵に替える方法もあります。
すでに正確に数えられる子にも指の練習が必要?
困る所がなければ、指を使っていることだけを理由に、毎問説明させたり一律に練習を増やしたりしなくて構いません。学校で別の数え方を扱うときはその目的を確かめ、迷う所があれば一問から一緒に見ます。

