どんな影響がある?

同じお話だと、名前を覚えやすいことも

同じお話を繰り返した方が、新しい名前をよく覚えていた3歳児の実験があります。言葉を聞く回数は同じでも、違うお話を読む場合とは、名前と物を結びつけて覚える様子に違いが出ました。

理由と根拠を詳しく読む

今日のひと工夫

じゃあ どうする?

子どもが並んだ絵本からお気に入りの一冊を選び、ママがその本を見ている手描きイラスト

1いつもの一冊を、そのまま受け取る

いつもの一冊を選んだら、そのまま読みます。新しい本を読めたかで冊数を増やさず、好きな話を繰り返す時間も残して大丈夫です。

ママと子どもが開いた絵本の絵を見て、指をさしながらことばを楽しむ手描きイラスト

2好きなページで少し止まる

絵を眺めたり台詞を一緒に言ったり。静かに聞きたい日はそのまま読みます。覚えたかを毎回クイズで確かめなくても。

お気に入りの緑のくまの絵本を持つ子へ、別の青いくまの本を見せて選ぶか聞く母

3新しい本は、好きなものから誘ってみる

動物が好きなら「この動物のお話も見てみる?」と一冊見せます。気が向かなければ、いつもの本へ。お気に入りを読む条件に、新しい本を足しません。

もう少し知りたいときにさらに詳しく ↓
この記事の目次
  1. 読み手は暗記済み。聞き手は今日もわくわく。
  2. 同じお話は、言葉を覚える足場にもなる
  3. 同じ話を、同じ読み方で楽しんでも
  4. 「また同じ」は子どもなりの楽しみ方
  5. もう1回に付き合えない日もあります
  6. 別のお話が気になる日は

工夫の理由と気をつけたいこと

  1. 子どもが好きな一冊も、その日の選択です。毎回新しい本を足さなくても、繰り返し楽しめます。

  2. 覚えたことを答えさせる代わりに、今どこが好きか一緒に見られます。話さず聞きたい日もあります。

  3. 新しい話を知る機会と、好きな話を繰り返す機会は両方作れます。本人が気になる題材から誘い、乗り気でない日は選び直せる形にします。

01

読み手は暗記済み。聞き手は今日もわくわく。

「今日はどれにする?」と聞いたら昨日と同じ一冊。読み終わると「もう1回!」。こちらは台詞を覚えそうなのに子どもは今日も楽しそうです。

新しい本も読んだ方がいいのかな。でもお気に入りを選んだその顔を見ると断りにくい。まずは冊数を増やすことより今好きな場面を一緒に楽しんでみませんか。

02

同じお話は、言葉を覚える足場にもなる

Horstらは英国の3歳児16人に、初めての物の名前が入った特製の絵本を1週間で読みました。同じ話を繰り返す条件と、同じ言葉を違う話で聞く条件で、その言葉を聞く回数はそろえています。同じ話の条件の方が、後で名前と物の組み合わせを覚えていました。冊数だけでなく、言葉に出会う文脈の繰り返しにも意味があるという結果です。同じお話の反復と言葉の学習の実験(2011、英語)

16人の短期実験で特製の本と新しい名前を使った結果です。同じ市販の絵本を何回読めば語彙がどれだけ増えるか、ほかの年齢でも同じ効果かまでは決められません。研究で使った確認課題を、そのまま家庭で毎回のクイズにする必要もありません。

「またそれ?」を新刊へ替える合図にせず、好きな場面や覚えた台詞を一緒に楽しむ案があります。別のお話が気になる日は選び直し、読み手が疲れた日は一度だけや一部のページで区切ります。反復を認めることと、何度でも読み続けることは別に相談できます。

03

同じ話を、同じ読み方で楽しんでも

いつもの本を持ってきたら、「今日はこの本だね」と受け取ります。新しい本を用意していた日でも、先にそれを読ませてからでないと好きな本を読めない、という順番にしなくて構いません。子どもが先に台詞を言ったら、その台詞を一緒に楽しむ案もあります。

本人が別の話にも目を向けたときは、新しい本を選ぶ機会にできます。その日は気が向かなくても、好きな話を読み続けながら、別の本へ誘う機会を残せます。

04

「また同じ」は子どもなりの楽しみ方

東京都の読み聞かせQ&Aは気に入った絵本を繰り返し楽しむ子どもの姿を紹介しています。新しい本へ急いで移す必要はないという考え方です。東京都「同じ絵本ばかりを繰り返し読んでいてもいいのでしょうか?」

読む途中で「この絵が好き」と言ったら少し眺める時間に。続きを静かに聞いていたい日は話しかけ続けなくてもよいのです。「何を覚えた?」と成果を確かめる時間にしなくても一緒に読めます。

05

もう1回に付き合えない日もあります

眠い夜や声を出すのがつらい日は「今日は一度だけ」「このページまで」と先に伝える案があります。もっと読みたい気持ちは聞きつつ大人が休むことも相談して構いません。別の家族へ交代できない日は短く終えてまた次の機会に。

絵本の言葉を遊びでも楽しみたいときはお店屋さんごっこや言葉探しの遊びへ。読書のあとに必ず何かをさせる必要はありません。

06

別のお話が気になる日は

新しい本へ誘うなら、お気に入りの動物や乗り物など、本人が好きなものを手がかりに一冊選びます。「この本にもくまがいるね」と見せ、今見たいかを聞く案です。新しい本を一冊読んだら好きな本を読める、という条件にしなくても構いません。

乗り気でなければ、いつもの本へ。別の話も気になる日は、本棚や図書館で一緒に探せます。名前や好きなテーマから話を作る「ぴこっとAI絵本」も候補の一つです。

画面で読む場合は大人が先に内容と操作を確認します。料金や終わり方を含めたアプリ選びの確認も参考になります。

Q & A

気になる疑問

同じ絵本ばかりで新しい本を選ばなくてもいい?

いつもの一冊を選んでも大丈夫です。好きな絵や台詞を何度も楽しみ、別のお話が気になる日は一緒に探してみましょう。

新しい本にも誘いたいときは?

動物が好きなら「この動物のお話も見てみる?」と一冊見せます。気が向かなければ、いつもの本へ。お気に入りを読む条件に、新しい本を足しません。

同じ本を読むたびに質問をした方がいい?

質問を毎回用意する必要はありません。好きな絵を眺めたり台詞を一緒に言ったり、子どもが楽しんでいることに合わせる案です。続きを聞きたい日は静かに読むだけでも構いません。

出典・参考資料 3件